トップページ> テレビ、PCモニターの画像障害に関するご質問
テレビ等に使用されるブラウン管は、通常電子銃から電子ビームが放射されます。 直進する性質を持った電子ビームを偏向コイルにより軌道を修正し画像を得ています。 偏向コイルとは信号に応じて磁界を発生させ電子ビームの向きを変えることが出来るコイルの集まりです。
電子ビームが磁気の影響を受けることは磁石を画面に近づける事で確認ができます。(実際に行わないでください。このまま復帰出来ない場合があります。) 磁石の周辺の画像に色ムラが生じるはずです。これは電子ビームの軌道が磁石の磁界よって曲げられることによるものです。
地球上には地磁気が存在しますが、パソコンのCRTモニター等はこの地磁気の影響を考慮し、調整されています。 (北半球、南半球、赤道近辺では調整が異なります。)
例えばテレビを90°回転させて(縦置き)に設置しますと、画面に変色が発生する場合があります。 これはあらかじめ地磁気を考慮し、調整された画面に影響する磁気の向きが変化してしまう為、発生するものです。
購入後発生した場合
購入初期状態で発生した場合
軽度の帯磁の場合、CRT本体にDEGAUSS(デガウス)という機能が有りますので、これを実行してみてください。
DEGAUSS=消磁
機能が見当たらない機種でも、通常はメインの電源をONにした時に自動的に消磁が行われます。
DEGAUSSについてさらに詳しく
上記の機能で解消されない場合、専用の消磁器を使用します。
購入することも可能ですが個人レベルで使用する場合、使用するのは1,2回程度ですし、価格がもう一台CRT本体が購入できてしまう物もあります。
通常は購入店、メーカーに状況を連絡して消磁を依頼するのがベストだと思います。
磁気を発生している物が周辺にある場合
消磁を行っても解消されない場合、設置場所の環境を考えてください。 本体の周辺に置かれている物を移動するだけで解消する場合があります。
意外と盲点なのがラック等の帯磁です。 鉄製の支柱が使用されている物は注意してください。 (メモなどを貼り付けるマグネットをラックに使用している場合も注意してください。)
左図の様なパソコンラックを使用している場合、モニターの傾いている角度を変更することで解消する場合があります。 詳細は前記いたしましたテレビ、パソコンのCRTモニターの画像表示のしくみを御参照ください。
又、DEGAUSSを数回繰り返し行うことで解消する場合があります。
送電線、鉄道の線路周辺、その他の電気設備からの影響
使用する環境を変更できない場合、解消方法としてテレビ本体を磁気シールドする事で解決する事があります。 検索エンジンで"磁気シールド"等で探してみてください。
建築物の施工時、溶接作業、搬送用磁気ベルトなどの影響で鉄筋が磁気を帯びてしまうことが有ります。 この鉄筋の漏洩磁界の影響でテレビ、パソコンCRTモニターが変色してしまうのです。
天井、壁、床の四方から磁気の影響を受け設置場所を移動しても状況が改善されない場合が多いようです。
又、近年ではワイド型、大画面のテレビを使用される方が多くなっています。 大画面のテレビは特に磁気の影響を受けやすく多くのお問い合わせを頂いております。
テレビの色ムラ、色ずれ等が発生した場合、先ず、漏洩磁界の方向、強さを測定します。これによって磁気を発生している箇所が特定できます。
次に実際に脱磁(消磁)作業を行うのですが、すでに完成した建築物の鉄筋の磁気を脱磁することは非常に困難です。 壁を取り壊すこと無く磁気を抜き去る為には強力な脱磁能力のあるシステムが必要です。
東洋磁気工業株式会社は着磁、脱磁電源のメーカーとして1980年に設立されました。 以来、磁気を専門として多くの技術、ノウハウを蓄積し、 お客様のニーズに応える製品をご提供してまいりました。
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