着磁電源装置の基本回路は充電制御回路、コンデンサーバンク及び放電回路で構成されています。
着磁電源装置の基本原理は交流電源を充電回路で制御し、トランスで昇圧します。その後、整流回路で直流に変換し、コンデンサーバンクに電荷を蓄えます。
この蓄えられたエネルギーを放電回路をONにし、瞬間的に着磁コイルに通電します。
この時コイルに大きな電流が流れます。これが着磁に必要な高磁界を発生させるのです。
充電回路は放電回路に関係なく入力の電流、又はコンデンサに満充電する時間を調整できますので、通常の工場ラインの設備で十分に使用できます。
ここでは解りやすいように着磁電源装置の原理を水の流れに例えてみます。
コンデンサー容量は水容器の底面積に相当し、充電している電圧は水が溜まっている水位に相当します。電流は水流の強さと考えてください。 各回路の働きは下表の様になります。
着磁電源装置 | 水の流れに例えると |
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交流電源入力 | 水を供給 |
充電制御回路 何ボルトまで充電させるか制御 | 水位調整 どの位、水を容器に溜めるか制御 |
昇圧、整流 | ポンプで加圧、フィルターを通す |
コンデンサーに充電 | 水容器に水を徐々に溜める |
設定した電圧まで充電したら充電回路をOFF | 設定した水位まで溜まったらポンプをOFF |
放電回路をON | 排水口の栓を開ける |
瞬間的に着磁コイルに通電大電流が発生 | 水が勢いよく流れ出す |
上記の様に複雑な回路ではありませんが、最も重要な点はコンデンサーに蓄えられたエネルギーを効率よく磁気エネルギーに変換出来ることです。
対象となるマグネットに対して最適な着磁電源装置を選択する必要があります。