着磁に重要な装置のインピーダンス
より効率よく着磁を行うために
上の図を御参照ください。
マグネットが磁性を得るのには着磁後の残留磁束密度の数倍の発生磁界が必要となります。 又、発生磁界はマグネットに磁界が影響し、浸透するまで発生している必要があります。 この必要な時間だけ、高磁界を発生させれば、非常に効率の良い着磁が行えるのですが、実際には着磁電源をヨーク、コイルに通電した場合、発生磁界は放物線状になってしまいます。
より効率よく着磁を行う為にはゼロからなるべく早く最大発生磁界に達し、早くゼロ点に戻る必要があります。 上記のような発生磁界を形成するためには着磁電源装置の出力回路及び接続するヨーク、コイルのインピーダンスが関係してきます。
着磁電源装置のインピーダンスが高いと最大発生磁界に達するのに時間がかかりより大きなエネルギーを必要とします。 このエネルギーの大部分は不必要な熱エネルギーに変換されてしまいます。 そして発生したジュール熱は着磁ヨークの破損に大きく関係してきます。
着磁に重要な装置のインピーダンス
グラフは低インピーダンス着磁電源装置と従来型の出力電流波形を比較したものです。
近年では携帯機器等に使用される小型で高効率なマグネットの需要が増えています。 低インピーダンス着磁電源装置は上記のマグネットをより効率よく着磁を行うために開発致しました。
対象となるマグネット(希土類系ボンド磁石)は電気抵抗が大きく渦電流が発生しにくい利点があります。 よって表皮効果が少なく短い発生磁界で着磁が可能です。
系列 | 低インピーダンス電源 | 従来型着磁電源-A | 従来型着磁電源-B |
---|---|---|---|
通電電圧 | 520V | 912V | 912V |
負荷 | ケーブル短絡 | ||
コンデンサー容量 | 1000μF | ||
ピーク電流 | 15KA | ||
通電時間 (0交点⇒0交点) | 93.2μsec | 172.6μsec | データ無し |
面積 | 868089KA*n | 1614881KA*n | データ無し |
低インピーダンス着磁電源装置と従来型の出力電流波形を比較するとより小さなエネルギーで同等のピーク電流(=最大発生磁界)を得られているのが解ります。
低インピーダンス着磁電源装置詳細
専用着磁電源装置
より効率よく、エネルギー伝達のロスを少なくする為、着磁電源から着磁ヨークを接続している出力ケーブルを排除し、装置をそのまま作業テーブルとして使用できます。 装置内部の出力回路もインピーダンスが最小になるように設計しています。
操作パネルは作業者にモニターしやすい様、設置場所、角度が自由に変更できます。
装置上部に出力端子を設けています。 自動装置の内部に設置できるコンパクトな電源装置です。